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「日テレの内定取り消し」に女子大生が提訴。司法の判断は…


東京・銀座のクラブでホステスのアルバイトをした経験を理由に、日本テレビのアナウンサーの内定を取り消されたのは、不当だとして来春就職できることの確認を求める訴訟の第1回口頭弁論が、2014年11月14日に東京地裁であり、日本テレビ側は争う姿勢を示しました。
訴えていたのは、東洋英和女学院大学4年生の笹崎里菜さんで、報道によると笹崎さんは2013年9月に2015年4月の就職が内定しましたが、その後母親の知人の紹介で銀座のクラブでホステスとして働いた経験があることを人事部に報告したところ、2014年5月に内定を取り消されました。
当初、笹崎さんは内定辞退を迫られましたが、それに応じなかったために内定を取り消され、納得がいかずに東京地裁に提訴しました。
これに対し、同社は「アナウンサーには極めて高度の清廉性が求められ、アナウンサーの採用過程で、ホステスの経験を申告しなかったのは虚偽申告にあたる。他方で、銀座のクラブでホステスとして就労していた貴殿の経歴は、アナウンサーに求められる清廉性に相応しくない。仮にこの事実が公になれば、アナウンサーとしての業務付与や配置に著しい支障が生ずることは明らか」と取消し理由を述べています。
同社が言う「アナウンサーには極めて高度の清廉性が求められる」「採用過程で、ホステス経験を申告しなかったのは虚偽申告にあたる」そうでしょうか。
判断は司法に委ねられることになりますが、内定取り消しはどのような場合にできるのでしょうか。
まず、採用内定の法的性格は、新卒採用の場合「始期付・解約権留保付労働契約」であるとする考え方が判例上確立しており、正式な採用内定は労働契約の締結予約などではなく、その時点で内定者と企業の間に労働契約が成立しています。
では、具体的にどのような事情(事由)があれば内定取消しが認められるのか。
判例は「採用内定の取り消し事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的で社会通念上相当として是認できるものに限られる」と述べています。
一般論としては、新卒者の場合の成績不良による卒業延期。健康状態の(業務に堪えられないほどの)著しい悪化。(重要な経歴の詐称など)重大な虚偽申告の判明。(飲酒運転による死亡事故など)社会的に重大な事件による逮捕処分といったケースであれば、内定取消しに合理性・相当性が認められています。
今回の笹崎さんの場合「採用過程で銀座のクラブでホステスとして働いたことがあることを申し出なかった。つまり経歴を偽って応募した。最初からわかっていれば採用はしなかった」これが同社の言い分のようです。

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