「裁判員裁判の死刑判決を破棄、高裁は無期懲役」うん〜。

平成25年6月20日、東京高裁は東京地裁の裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡しました。
裁判員裁判の死刑判決が二審で破棄されたのは初めてです。
この事件は、妻子に対する殺人罪で20年間服役し、出所半年後に東京・南青山で男性を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われた無職、伊能和夫被告(62)の控訴審判決で東京高裁は、死刑とした裁判員裁判の一審・東京地裁判決(2011年3月)を破棄し、無期懲役を言い渡しました。
村瀬均裁判長は「殺意は強固だが、被害者が1人の事案で、死刑は選択しがたい」「前科と新たな罪に顕著な類似性が認められる場合に死刑が選択される」とした上で、心中目的などで妻子2人を殺害した前科と今回の強盗殺人に「類似性は認められない」と指摘し「一審は前科を過度に重視しすぎた。裁判員が議論を尽くした結果だが、刑の選択に誤りがある」と述べています。
判決によると、伊能被告は2009年11月、金品を奪う目的で東京・青山の五十嵐信次さん(当時74)方に侵入し、首を包丁で刺して殺害。一審で弁護側は無罪を主張、伊能被告は完全黙秘して、控訴審には出廷していません。
一般市民が参加する裁判員制度開始から4年。最高裁は昨年2月に一審判決を覆すには「論理則、経験則に照らして不合理であることを具体的に示す必要がある」と判示し、市民の判断を重視する姿勢を鮮明にしていました。
それにより、職業裁判官のみの高裁では、一審の裁判員裁判の判断を尊重する流れが定着したかに見えましたが、今回は、過去の死刑判決の傾向を重視して、極刑の適用にあたっては、市民の判断を覆してでも「過去との均衡」を保つべきだとの姿勢が示されています。
ある現役裁判官は「一審は、前科も含めて『犠牲者は3人』ととらえたようにみえる。そうした『市民感覚』と、あくまでも起訴された事件を中心に犠牲者を『1人』ととらえ、前科の重みを限定的に考える職業裁判官の感覚の違いが出たのではないか。死刑と無期、どちらの判断もあり得る難しい事件だ」と語っています。
「うん〜。」どう判断すればいいのか。
たぶん、裁判員の人たちが「妻子2人を殺して服役。出所後半年で今度は強盗殺人で1人を殺害。このような人に更生は望めない」こう考えてあたりまえ。
しかし、プロの裁判官は「起訴されているのは強盗殺人で、前科についてはすでに服役しており、切り離して判断すべき」と考えた。
しかも、私が思うに、弁護士は無罪を主張しており、被告は黙秘を貫いている。
冤罪の可能性がゼロでない以上「究極の刑罰」の選択にはより慎重な判断をすべきで、過去の死刑判決との均衡を最大限考慮した結果が「無期」
これでいいのではないですか。
ただ、犠牲者が1人の裁判員裁判の死刑判決は別に2件あり、1件は控訴取り下げで確定しており、もう1件が東京高裁で争われています。
控訴を取り下げた事件も、控訴審で無期になったのでは。そして、審理中の審判に今回の判決はどう影響するのか。
今後の裁判員裁判に少なからぬ影響を与えることは確かです。
当然、無罪を主張する弁護側は上告するであろうし、量刑を不服とする東京高検はどう対処するのか。(7月1日上告しました)最高裁はどう判断するか。
法律に興味がある方は、非常に気になるところではないですか。

2013年07月01日

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