coffee break(2013年)

【目次】
12月01日 フォークリフトの運転資格を取得しました。
11月01日 「臓器提供意思登録カード」に意思表示をしていますか?
10月01日 「解雇しやすい特区」検討。どう思います…
09月01日 朝日新聞 限界にっぽん 第4部・続「追い出し部屋」(続き)
08月01日 朝日新聞 限界にっぽん 第4部・続「追い出し部屋」
07月01日 「裁判員裁判の死刑判決を破棄、高裁は無期懲役」うん〜。
06月01日 京都ひとり旅(其の三)
05月01日 ユニクロ「世界で賃金統一」人材確保狙い。この会社で働きたいと思うか…。
04月01日 「小野市福祉給付制度適正化条例」どう思います…
03月01日 「民法改正」の中間試案。「えっ?」と思う部分もあるが…
02月01日 橋下徹大阪市長の実行力は誰もまねできないのでは…
01月01日 30年以上前の車の部品があった。

フォークリフトの運転資格を取得しました。

いつものように好奇心を刺激され、11月29日にフォークリフトの運転資格を取得してきました。
「社会保険労務士と、どう関係あるの?」と思われたでしょうか。
まったく関係はありませんが「何でもやってやろう。見てやろう」の気持ちが強いため、たまたまその機会があったので、チャレンジしました。
その機会とは、公益社団法人 神奈川県シルバー人材センター連合会(以下、連合会という)が、再就職のための講習会の募集をしていて、その中に「フォークリフト運転技能講習会」がありました。
いままでに、フォークリフトの運転をしたことはなく、今後もすることは100%ないはず。それならこの際「一度運転をしてみたい」と好奇心から申込みをしたところ、受講が決定した次第です。
講習会の本来の目的は「フォークリフトの運転資格を取得して再就職につなげる」ことですが、好奇心からの受講申込みは、その目的に反し、少なからず申し訳ない気もします。
連合会では他にも、警備業務講習会、マンション管理業務講習会、介護補助員養成講習会など15の講習会が行われています。
ただ、講習会の申込みは、県内在住で、55歳以上、そしてハローワークに求職登録手続きをしていることが条件になっていて、当然ですが登録はしていませんので、求職登録手続きにハローワークに行ってきました。
就職をするわけでもないのに、求職登録手続きをすることも気が引けましたが、特に問われることもなく「ハローワークカード」を頂いてきました。
講習会は、連合会が外部の講習機関に委託して行われ、今回受講した講座は6日間で、時間は8:30から17:00まで。
最初の2日間が、荷役、走行、力学に関する知識と関係法令の学科講習。あとの4日間は走行、荷役の実技講習があります。
学科は普通の講義で、特筆すべきことは特にありませんが、休憩を挟むとはいえ、久しぶりに1日7時間30分机に向かってきました。
実技講習は前半2日間が、フォークリフトの走行練習。後半2日が実際に1トンの荷物をA地点からB地点まで運ぶという、実際の作業を模した内容になっています。
走行練習は8の字スラローム、クランク走行が前進のみならずバックでも行われましたが、意外に易しかったです。
「技能講習」ですから当然、学科試験、実技試験があります。ただ、学科は講師が試験で問われる箇所を何回も説明してくれ、実技も、練習自体が試験に即した内容になっていて、学科の2日間、実技の4日間をふつうに受講してさえいれば合格できる試験ではあります。
フォークリフトは前輪駆動、後輪操向が一般的ですが、乗ってみて、小回りが非常にきくことがわかり、やはり何でもやってみるのが一番だと実感しました。
連合会の講習会は15あると書きましたが、厚生労働省の委託事業で、高年齢者の雇用・就業の確保を促進することを目的に、再就職・就職に役立つ技能等を身につけるため実施されています。
高年齢者の就業支援が目的ですから、後日「技能講習」修了者を対象に、合同面接会も開催されます。
このような講習会は、他の都道府県のシルバー人材センター連合会でも行われていて、いかに厚生労働省が高年齢者の雇用・就業に力を入れているかがわかります。
いま求職活動中の方は、これらの講習会を利用されるのもいいのではないでしょうか。
仮に、即就職に結びつかないにしても、その知識・経験がいつか役立つことがあると思います。
自分の知らないこと、やったことがないことに挑戦するのは楽しくないですか?

2013年12月01日

「臓器提供意思登録カード」に意思表示をしていますか?

脳死と判定された人のうち書面による意思表示をしていた人はどの位いたと思います?
冒頭から唐突な質問で申し訳ありません。
平成25年10月29日に厚生労働省から「臓器移植の実施状況等に関する報告書」が公表されました。読んでいて、いくつか疑問に感じるところがあります。
そこで、今月の「coffee break」はその報告書について思うところを書いていきます。
平成22年7月17日に「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律」(平成21年法律第83号)が全面施行され、同日から平成25年9月30日までの間に「臓器の移植に関する法律」(平成9年法律第104号)に基づき、151名が脳死と判定されています。
このうち、本人の書面による意思表示のあった者は34名。
つまり、臓器提供意思をハッキリと表示していた人は20パーセント。この数字をどうみるかは人それぞれですが、私は「こんなに低いの」と感じました。
次に、移植希望登録者数は平成25年9月30日現在、全国で、心臓271名、肺215名、心肺同時5名、肝臓375名、腎臓12,316名、肝腎同時12名、膵臓42名、膵腎同時149名、小腸2名、眼球(角膜)移植希望登録者数は平成25年8月31日現在、2,198名います。
これだけ多くの人が移植を希望しているのかと、正直驚きました。そして、眼球(角膜)移植も臓器移植に含まれることも初めて知りました。
では、移植を受けた人はどの位いるのか。
臓器移植といえば腎臓が真っ先に思いつきますが、腎臓は生体及び死体からも移植が可能で、それは数字にも示されており、平成24年度の提供者は97名、うち脳死した人からは40名。
平成9年10月16日(臓器移植法の施行の日)から平成25年9月30日までの累計では提供者1,484名、うち脳死した人からは220名です。
では、脳死からしか移植ができない心臓はというと、平成24年度は30名、平成9年10月16日(臓器移植法の施行の日)から平成25年9月30日までの累計では175名が移植を受けています。
この数字をみても、ドナー(臓器提供候補者)が足りないのは明らかです。
そこで法改正により、本人の臓器提供の意思が不明な場合でも、家族の承諾があれば臓器提供できるようにしました。
ただ、私は、家族の承諾による提供には、以前から疑問を感じています。
大切なのは本人の意思で「提供する」と言っていないのに、家族の承諾のみで「提供する」と同一視していいのでしょうか。
また、平成25年5月1日現在、心臓移植実施施設は全国に9施設しかありません。
ドナーとレシピエント(移植候補者)の移植実施施設が離れていたら、搬送時間の関係で脳死判定に影響が及ぶことは絶対にないのか。あるわけはないでしょうが、考えてしまいます。
当然私は「臓器提供意思登録カード」を持っています。そして「私は、臓器を提供しません」と意思を表示しています。
その理由は「脳死」は臓器移植のためだけの考えで「心臓死」だけが人の死だと思っているから。
まだ心臓が動いていて、身体は温かい。その状態で「脳死です。回復はありません」と言われても納得できますか。
まして「臓器移植」の話でも切り出されたら、平常心でいられるわけがありません。「奇跡を信じる」この一縷の望みを絶ち切らないでほしい。
最後に報告書を読んでいて納得できないことがひとつありました。「臓器を提供した者に対しては、その崇高な心をたたえ、感謝の意を表するため、厚生労働大臣感謝状を贈呈している」とあります。
家族の承諾で提供した人も、感謝状は提供した人の名前ですか?
そこには本人の意思は微塵も入っていないのに「感謝状」。本人、天国で喜んでいるでしょうか。

2013年11月01日

「解雇しやすい特区」検討。どう思います…。

安倍政権が構想する「国家戦略特区」で労働者を解雇しやすくしたり、労働時間の規制をなくしたりする特区の導入が検討されています。
働かせ方の自由度を広げてベンチャーの起業や海外企業の進出を促すのが狙いですが、実現すれば働き手を守る仕組みは大きく後退します。
現行ルールでは、企業に労働者を解雇する権利はあるものの、労働契約法16条でその解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は権利を濫用したものとして、解雇は無効とされています。
労働時間についても、労働基準法で1日、1週間の制限があり、それを超えて働かせる場合には、協定を結び労働基準監督署への届出、および割増賃金の支払いが義務付けられています。
しかし「特区」では1.入社時に結んだ条件に沿えば解雇できる 2.一定の年収があれば労働時間を規制しない 3.有期契約で5年超働いても、無期契約になれるルールを適用しなくていい 
このように、働き手を守る労働基準法や労働契約法に特例を認めることになり、企業が労働者に不利な労働条件での契約を強要することは当然想定されます。
「ブラック企業」が合法化され、雇用の安定が損なわれ、格差はますます拡大する。
そもそも、労働基準法や労働契約法は労働者の労働条件を守るための法律であって、それの適用を排除するような考え方はどこからでてくるのでしょうか。
背景にあるのは「いまの解雇のルールはわかりにくい」との考えで、企業が労働者を解雇しようとしても、労働者に甘受せざるをえない過失がなければ解雇できず、訴訟になった場合、労働者に有利な判決がでる傾向は否めません。
しかし「特区内の企業」では、新聞紙上で例として記載されていた、契約で「遅刻をすれば解雇」と決めれば、実際に遅刻した場合解雇できる。こんな馬鹿げた契約も認められます。
解雇のルールを明確にすれば、新産業の育成や海外企業の活動がすすむという考えだそうですが、そうでしょうか。
また「特区」では1日の労働時間原則8時間を超えた働き方も可能で、自由な働き方により高額報酬を期待する専門性のある人材や技術者を呼び込めるとの見方があり、時間ではなく「仕事の成果」に報酬を支払う考え方が背景にあります。
労働者が希望した場合のみとの条件付きですが、残業代や深夜労働への割増賃金もなし。「より評価される成果」を上げるため無理な働き方をする。月間残業時間が100時間超。
でもこれで優秀な人材が集まりますかね。優秀な人の考えは理解できませんが、私だったらこのような企業で働きたいとは思いませんし、多くの人の考えはこうだと思うのですが、どう思います…。
なお、労働時間が規制されない制度としては、第1次安倍内閣のときに年収900万円以上の労働者を規制対象から除外する「ホワイトカラー・エグゼンプション」が検討されたことがあります。しかし「残業代ゼロ法案」と批判を浴び、断念した経緯があり、また蒸し返されたことに疑問を感じます。
ただ、厚生労働省が、働き手を守る最低限のルールは全国一律であるべきだとの考えから「雇用は特区になじまない」と導入に反対をしていることが唯一の救いかもしれません。

2013年10月01日

朝日新聞 限界にっぽん 第4部・続「追い出し部屋」(続き)

前月に続き、朝日新聞 限界にっぽん 第4部・続「追い出し部屋」に関して。
8月26日の記事は見出し「全力で支援、なんてうそだ」と、再就職支援会社について書かれていました。
会社都合で社員を退職させる場合、通常の退職金のほかに、割増退職金を支払い、再就職を支援する再就職支援会社を紹介して、社員に退職を促す。早期退職優遇制度と呼ばれ、リストラを実行する会社の多くがこの方法を取り入れています。
割増退職金が加算され、外部の会社が再就職を支援してくれるのであれば辞めてもいいかと思わせる、ここが落とし穴です。
再就職支援会社がやってくれるのは「支援」であって「紹介」や「斡旋」ではありません。
就職先は自分で探す。これが大前提。あなたが、いまの会社に就職するとき大学の学生課が何をしてくれましたか。何もしてくれず、自分の力で内定を取りつけたはずです。
今度は再就職。しかもリストラされた中高年。再就職支援会社が親身になって就職活動の世話をしてくれるわけがない。期待すること自体無駄です。
ではなぜ再就職支援会社は、リストラされた人を受け入れるのか。それは一人当たり60万から100万円の金がリストラをする会社から支払われるから。それだけ。
ただ。金を貰った以上何もしないわけにはいかない。そこで「支援」をする。
ふつう支援と言えば自分の再就職先を探して、職につけてくれる。誰でもそう思い、期待する。それが甘い。
やってくれるのは、履歴書の書き方。職務経歴書の書き方。面接の受け方。それらを教えて、いや話してくれるだけ。
何の役にも立ちはしない。書店に行けばそれらに関する書籍はごまんとあります。
私も早期退職優遇制度への応募を迫られたことがあります。「応募はしない」と言っているにもかかわらず、再就職支援会社の説明を聞いてくるよう上司から命じられました。
とりあえず話だけは聞いてきましたが「ここでは就職口は見つけられないな」と直感しました。
その会社の支援を受けていままでに就いた業種、業務にどのようなものがあるか一覧表を見せてもらいましたが、私が就きたいと思うものはひとつもなかったと記憶しています。
考えてもみてください。再就職支援会社がどれほどの求人情報を持っているのか。たかがしれています。
そして、再就職支援会社の担当者に、他社をリストラされた人がなっている。その人が本気で就職の手助けをしてくれるとは考えられません。
記事の中で、50代の元リコー技術者は職を失って3回目の夏を迎えたそうです。なぜいつまでも再就職支援会社にしがみついているのか。理解できません。
基本手当が330日(被保険者であった期間が20年以上。45歳以上60歳未満の場合)支給される間に自分で再就職口は探す。自分で探せないなら、決して早期退職優遇制度に応募はしないことです。
人事の担当者はあなたを辞めさせることが仕事で、それができなければ自分の首があぶない。当然のことです。
だから「再就職支援会社が全力で支援します」「あなたのキャリアを生かす仕事を探してください」こんな夢物語を平気で口にしますが、そんな言葉は鵜呑みにしない。
ただし、自分で再就職先を探せる自信がある人。または、自分で起業・創業を考えている人にとってはチャンス到来。退職金の上乗せ、基本手当が特定受給資格者の日数もらえるなどプラスの点は大いにあります。
あとは自分の判断次第です。でも結論は急がない。「石橋をたたいて、たたいて、それでも渡らない」それもありです。

2013年09月01日

朝日新聞 限界にっぽん 第4部・続「追い出し部屋」

朝日新聞に、限界にっぽん 第4部・続「追い出し部屋」というタイトルの記事が7月14日、15日、29日に掲載されました。
サブタイトル14日は会社側「刺激を与えるため」15日「自分が機械になった気分」29日「うつになった。人間は弱い」
毎回大きな紙面をとっていますので、読まれた方も多いと思います。
いかに社員を退職させるか、そのために他社を利用して、あるいは自社に「追い出し部屋」を設ける。その手口が毎回明らかになっています。
例えば、14日の会社側「刺激を与えるため」では、マンション分譲大手の大京が社員を他社に「教育出向」という名のもとに出向させ、そこで電話営業などを行わせる。
いままで担当していた業務とはまったく関係のない、いうなればつまらない仕事をやらせて、本人が「退職します」と言うのを待つ。
大京の山口陽社長は「出向が『追い出し部屋』と見られるのはまったくの誤解。評価が低い方々に刺激を与えたい。異業種交流で目をさまし、気づいて戦力になって戻ってきてほしいという思いからだ」と都合のいいことを言っています。
出向で何に気づけばいいというのでしょうか。目をさまし、気づいて、人が変わって、大京で戦力になって、活躍している社員がいるとでも言うのですか。
所詮「この会社にあなたの居場所はないし、やってもらうべき仕事もない。だから、さっさと辞めて欲しい」本音はこれなのに、まわりくどいやり方です。
15日「自分が機械になった気分」は日通の中間管理職だった人が、出向先のアマゾン・ドットコムで、端末の指示に従い、ネットで注文が入った商品を棚から選び出す「ピッキング」の仕事をやらされている。
「人と会話することもほとんどない。自分が機械になったような気分になる」
29日はコナミの社員が、社に残りたいため、異動してパチスロ工場での単調作業を受け入れたが「何でこんなことをやっているのだろう」と自問して「うつ」になり休職に。
どれも「追い出し部屋」に追いやられた社員の姿が書かれています。
おそらくこの記事を読まれた方の多くは、会社のやり方に憤慨したと思います。
ただ、私は憤慨もしましたが、違う感じ方をしました。
それは「追い出し部屋に追いやられたことで、なぜ会社を辞めるのか」「それこそ会社の描いたシナリオどおりではないか」「辞めたくなければ、会社と闘えばいいのに」
会社の意向に真っ向から反対しても、それが理由でクビにはなりません。
出向、なぜ拒否しないのですか。出向は原則本人の同意が必要です。
仮に、就業規則で拒否できないとして、その仕事はあなたがやるまえは誰かがやっていた仕事のはずです。
「つまらない」「やりがいがない」「単調な仕事だ」
それなら会社に残り、自分の目標を探せばいいではないですか。
資格を取る。起業・創業を考える。閑職に追いやられたのですから、時間は十分あるはずです。
出向でも異動でも、会社に残ることを考え「追い出し部屋」に追いやられても、自分から出て行かない。
給与が減収になっても、自分の意に反する仕事を命じられても、辞めない。
いまここで後先考えずに辞めて、次の仕事見つかりますか。
もし見つかると言う人がいたら、ハローワークに行ってみてください。求職者であふれかえっています。
そして「いまにみていろ。いつか自分を切り捨てた人を見返してやる」この思いがあれば、大抵のことには耐えられ、目標は叶うはずです。
現にこの私がそうでした。

2013年08月01日

「裁判員裁判の死刑判決を破棄、高裁は無期懲役」うん〜。

平成25年6月20日、東京高裁は東京地裁の裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡しました。
裁判員裁判の死刑判決が二審で破棄されたのは初めてです。
この事件は、妻子に対する殺人罪で20年間服役し、出所半年後に東京・南青山で男性を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われた無職、伊能和夫被告(62)の控訴審判決で東京高裁は、死刑とした裁判員裁判の一審・東京地裁判決(2011年3月)を破棄し、無期懲役を言い渡しました。
村瀬均裁判長は「殺意は強固だが、被害者が1人の事案で、死刑は選択しがたい」「前科と新たな罪に顕著な類似性が認められる場合に死刑が選択される」とした上で、心中目的などで妻子2人を殺害した前科と今回の強盗殺人に「類似性は認められない」と指摘し「一審は前科を過度に重視しすぎた。裁判員が議論を尽くした結果だが、刑の選択に誤りがある」と述べています。
判決によると、伊能被告は2009年11月、金品を奪う目的で東京・青山の五十嵐信次さん(当時74)方に侵入し、首を包丁で刺して殺害。一審で弁護側は無罪を主張、伊能被告は完全黙秘して、控訴審には出廷していません。
一般市民が参加する裁判員制度開始から4年。最高裁は昨年2月に一審判決を覆すには「論理則、経験則に照らして不合理であることを具体的に示す必要がある」と判示し、市民の判断を重視する姿勢を鮮明にしていました。
それにより、職業裁判官のみの高裁では、一審の裁判員裁判の判断を尊重する流れが定着したかに見えましたが、今回は、過去の死刑判決の傾向を重視して、極刑の適用にあたっては、市民の判断を覆してでも「過去との均衡」を保つべきだとの姿勢が示されています。
ある現役裁判官は「一審は、前科も含めて『犠牲者は3人』ととらえたようにみえる。そうした『市民感覚』と、あくまでも起訴された事件を中心に犠牲者を『1人』ととらえ、前科の重みを限定的に考える職業裁判官の感覚の違いが出たのではないか。死刑と無期、どちらの判断もあり得る難しい事件だ」と語っています。
「うん〜。」どう判断すればいいのか。
たぶん、裁判員の人たちが「妻子2人を殺して服役。出所後半年で今度は強盗殺人で1人を殺害。このような人に更生は望めない」こう考えてあたりまえ。
しかし、プロの裁判官は「起訴されているのは強盗殺人で、前科についてはすでに服役しており、切り離して判断すべき」と考えた。
しかも、私が思うに、弁護士は無罪を主張しており、被告は黙秘を貫いている。
冤罪の可能性がゼロでない以上「究極の刑罰」の選択にはより慎重な判断をすべきで、過去の死刑判決との均衡を最大限考慮した結果が「無期」
これでいいのではないですか。
ただ、犠牲者が1人の裁判員裁判の死刑判決は別に2件あり、1件は控訴取り下げで確定しており、もう1件が東京高裁で争われています。
控訴を取り下げた事件も、控訴審で無期になったのでは。そして、審理中の審判に今回の判決はどう影響するのか。
今後の裁判員裁判に少なからぬ影響を与えることは確かです。
当然、無罪を主張する弁護側は上告するであろうし、量刑を不服とする東京高検はどう対処するのか。(7月1日上告しました)最高裁はどう判断するか。
法律に興味がある方は、非常に気になるところではないですか。

2013年07月01日

京都ひとり旅(其の三)

「高速バスでどこかへ行きたい」との思いと、雑誌で京都の銭湯の記事を読み「そうだ、京都に行こう」と10ヶ月ぶりに古都の街を散策してきました。
今回選んだバスは「プレミアム昼特急7号」東京駅を9時40分発の大阪駅JR高速バスターミナル行き。
「プレミアム」と言うだけのことはあり、1階部分には3席しかなく、広々としています。ただ、窓が座席の側面にしかないため車窓の眺めを楽しむには難があり、2階席の眺めとは比較になりません。
そこで今回も2階最前列の席を、乗車券の売り出し開始を待って入手しました。なお、2階も横は3席、縦11席で他のバスより定員を少なくしていて、足を延ばしてもまだ余裕があります。
乗車券の発売は乗車日の1ヶ月1日前の午前10時からですが、なかなか電話が繋がらず、いつも入手するまでは気を揉みます。
息子から「新幹線なら2時間で着くのに。7時間半もかけるのは時間がもったいない」といつも言われますが、ビールを飲みながら景色を眺め、時には本を読んだり、ウトウトしたりと「長時間の旅」ならではの贅沢な時間の過ごし方だと自分では思っているのですが。
ところで、いつも思うのですが「高速バスの乗務員の運転は本当に上手い」
ギヤーチェンジ、ブレキーのかけかた、進路変更とすべてがスムーズで、私も運転するときは真似するようにしています。
バスはほぼ予定通りに京都駅に着き、ホテルに直行。シャワーで汗を流してから、四条河原町へ向かい、京都に来たときは必ず行く店で、湯豆腐とビールで乾杯。
「ひとり旅」のよさは何を食べるのも、どこへ行くのも自分の思いどおりになることで、今回も夜の京都を楽しむことができました。
翌日は龍安寺へ。バスで向かう途中に立命館大学があり、キャンパスの広さにひかれて、途中下車。
京都の大学は立命館、同志社そして京大とどこもキャンパスが広くて羨ましくなります。
キャンパスを歩き、若い学生を見ていると、学生時代にタイムスリップしたみたいで、若い気持ちになり、英気を養ってきました。これも「ひとり旅」だから許される寄り道。
龍安寺では、石庭を眺めてのんびりするつもりでしたが、その願いは無残にも打ち砕かれました。この時期は修学旅行の生徒がいっぱいで、とてものんびりというわけにはいきません。
やはりシーズンオフに来るのがいいのでしょうが、京都のシーズンオフはいつなのでしょうか。
観光客の多い神社仏閣は避け、次に向かったのは錦市場。
西の高倉通から東の寺町通の間400メートルの商店街で、まだここは端から端まで歩いたことがなく、今回ついに目標達成(?)
「京の台所」と呼ばれ、400年の歴史があり、いまも活気で溢れています。
さて、今回の旅の目的である銭湯ですが、大正14年に浴場併設の料理旅館として創業され、戦後は銭湯専業で現在も営業している「船岡温泉」に行ってきました。
ここは、京都の銭湯では唯一登録有形文化財に指定されており、透かし彫りの欄間をはじめ、そのしつらえは豪華そのもの。
いまは銭湯がつぎつぎに廃業していますが、ここはいつまでも残ってほしいと願わずにはいられません。
昼から降りだした雨も、露天風呂(沸かし湯)で聴く雨音が耳に心地よく、心身ともにリラックスできました。
ホテルへ1泊。帰りは夜行バスと駆け足での旅でしたが、初夏の京都を楽しんできました。

2013年06月01日

ユニクロ「世界で賃金統一」人材確保狙い。この会社で働きたいと思うか…。

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、4月23日の朝日新聞で店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する「世界同一賃金」を導入する考えを明らかにしました。
海外で採用した社員も国内と同じ基準で評価し、成果が同じならば賃金も同水準にするというものです。
柳井氏は同紙のインタビューで、「同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない。『グローバル企業』だから、同じ能力・職務内容にはどの国でも同じ給料で報いる」と述べています。
しかし、ユニクロは発展途上国の安価な労働力を利用することで利益をあげ、現地の協力工場で働く労働者の賃金は低く、現地採用の正社員でも一般の社員はその国の所得に応じた給料で、幹部社員のみが先進国並みの高給で遇され、所得格差がより広がるという懸念があります。
そして「将来は、年収1億円か100万円に分かれて中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」「グローバル経済と言うのは『Grow or Die』(成長か、さもなければ死か)。非常にエキサイティングな時代だ。変わらなければ死ぬ、と社員にもいっている」とも語っています。
斬新な考えに聞こえますが要は、仕事で付加価値がつけられなければ途上国の賃金水準まで賃金を引き下げるという「ブラック企業の考え」そのもので「世界同一賃金」に名を借りた労働条件の引き下げでしかありません。
同社の新卒社員が入社後3年以内に退職した割合(離職率)は2006年入社組が22%でしたが、07年は37%、さらに08〜10年は46〜53%と同期入社のおよそ半分が会社を去っていて、普通ではとても考えられる数字ではありません。
また、会社が決めた月間勤務時間の上限は残業も含めて計240時間で、これではとても仕事を消化できないという多くの社員の証言があり、このことからもサービス残業を強いているのは明らかです。
なぜ、この会社で働きたいと思うか…。
人により考え方の違いはありますが、おそらく自分なら「勝ち組になれる」この思いだけが原動力になっているのでしょう。
仮に勝ち組になれたとして、そのために家庭は顧みず、睡眠時間を削ってまでする価値がある仕事が「ユニクロ」にあるのか。外部の者の眼には見えてきません。
批判されるのを承知で言えば、たかが安売り衣料品の会社。ユニクロがなくなって困るかと言えば、決して困ることはありません。
「世界同一賃金」は同社の賃金体系、雇用形態の問題であり、グローバル化を目指す他の企業に波及するとは考えられません。
今回の発表で社員を酷使する「ブラック企業」の印象をより強めただけではないのか。今後の同社の動きから眼が離せません。

2013年05月01日

「小野市福祉給付制度適正化条例」どう思います…

またわけのわからない条例が制定されました。
生活保護や児童扶養手当の受給者にパチンコなどでの浪費を禁じ、違反者の通報を市民の「責務」と定めた「小野市福祉給付制度適正化条例」です。
しかも、市議会で16人の議員のうち病欠の1人を除いて、反対が1人で可決されたことにも、「?」
人それぞれ考えが違うから議会で議論して…。それが反対を表明したのは1人だけ。
条例は全10条からなり、全条文を何回も読み返しましたが、全員が諸手を挙げて賛成するような内容とはとても思えませんでした。
第3条の「受給者は、偽りその他不正な手段を用いて金銭給付を受けてはならないとともに、給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならないのであって、常にその能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図るとともに…」
生活保護費が、パチンコ、競輪、競馬等に浪費されることは私も疑問視しますが、条例を制定してまで規制する必要があるとはとても考えられません。
また第5条3項「市民及び地域社会の構成員は、受給者に係る偽りその他不正な手段による受給に関する疑い又は給付された金銭をパチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消してしまい、その後の生活の維持、安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認めるときは、速やかに市にその情報を提供するものとする」
「情報を提供するものとする」と言い切っているのは「努める」ではなく「義務を強いている」ことで、市にそのような権限はなく、とても容認できません。
小野市のホームページの「こんにちは市長です」で蓬莱務市長は「一部の反対意見の中には、条例に規定している市民に通報を求める点に関して、『監視社会や偏見を助長する懸念がある』という声もありますが、小野市のような規模の町では当てはまらない議論です。
市内各地に昔からの小さなコミュニティが残っており、『監視』ではなく、地域の絆を深める『見守り』社会を目指しているのです。このことは生活に困窮され保護を必要とされている世帯の掘り起しも規定していることからも明らかです。大切なことは、『無関心から関心へ』と市民の意識改革を促すことにあるのです」と書いています。
これも詭弁で、生活保護を受けているかどうかは第三者には知らされていません。仮に、パチンコをしている人が生活保護の受給者だと知っていて、その現場を目撃し、市にそのことを通報すれば密告で、どこが「見守り」なのか、「密告制度」「監視社会」と言われても仕方がないとしか思えないのですが…。
兵庫県小野市の人口(平成23年3月末)は50,485人。世帯数18,656世帯。生活保護受給(同)は123戸。また、市職員(平成24年4月1日現在)は消防、病院を除き273名です。
この数字なら、条例を作る前に、生活保護受給者への個別対応も可能で、自立支援の方策も十分検討できたのではと考えるのは、厳しすぎるでしょうか。
当然、県の弁護士会や保険医協会が「差別や偏見を助長する」「使途を監視・干渉することは憲法に反する」と反対しています。
生活保護受給者への風当たりが強まるなか、真に保護が必要な人が申請を躊躇することがないように、そして同じような動きが他市へ波及しなければと思っています。

2013年04月01日

「民法改正」の中間試案。「えっ?」と思う部分もあるが…

民法改正を検討していた法制審議会の民法部会が中間試案を公表しました。
民法は明治29年の制定以来、大きな改正がなく、専門家から「今の社会に合っていない」といった批判や、「条文があいまいで一般の人には分かりにくい」といった指摘が出ていたことを受け、法制審議会に「契約」や「債権」部分の見直しが諮問されていました。
法制審議会がまとめた中間試案の主な項目を見てみると、以下の項目が挙げられます。
1.約款の効力を明確に
2.暴利行為などの無効を明文化
3.個人保証の原則禁止
4.消滅時効の統一化
5.法定利率の変更
6.債権譲渡禁止特約の緩和
7.瑕疵担保責任の明確化
「1」の「約款の効力を明確に」では現行民法では規定がなかった約款に関する定義とルールが新設されています。
インターネットなどで契約する際、画面に表示される長文の約款を細部まで読まずに合意する利用者も多いため「まさかこんな条項は含まれてはいないだろう」と通常考える不意打ち的な条項は「契約内容とならない」とし、利用者にとって不当な条項は「無効」としています。
確かに、約款をよく読まずに「同意する」をクリックして次の画面に進み、契約するケースがほとんどでしょう。でも、約款に思わぬ条項があったとしたら。同意した以上、利用者が不利になるのは否めません。利用者保護のうえでは必要です。
「5」も現在の遅延利息の年5%はありえませんし、試案の年3%でも高いと思います。
試案のほとんどは、改正すべき内容であることは否定しませんが「えっ?」と思う項目がありました。
「3」の「個人保証の原則禁止」です。
内容は、連帯保証を引き受けた人が多額の借金を背負い、破産や自殺に追い込まれるケースが後を絶たないことから「中小企業などの融資で個人の連帯保証などを原則禁止。経営者本人の保証は認めるが、過大なら無効に。裁判所の判断で債務を減免できる救済措置も検討」というものです。
「なんとかお願いしたい」と請われて保証人となったが、債務者が返済できずに債務を肩代わりして全財産を失ったばかりか、家族関係も破綻してしまい、ときには自殺に追い込まれる。よく聞く話です。
でも、これをふせぐために「個人保証は経営者以外は無効」とするのがはたしていいのか。釈然としません。
少なくとも保証人になるとき「この書類に押印すれば、自分が返済することになるかもしれない」と考え、また、誰かに命令や強迫されて保証を引き受けたわけではなく、自分の意思で決めたはずです。
試案のとおり個人保証が付けられなければ、資産を持たない経営者が融資の申し込みに行っても、金融機関が貸し渋るのは明らかです。
信用保証会社の保証を付ける方法もありますが、すべての借り入れに対応できるわけではなく、担保がなければ、応援したいと思う事業計画でも、金融機関は融資を躊躇せざるをえません。
また、経営者以外の人が、経営者を助けるために保証人になってもいいという申し出も認められなくなり、経営者にとっては資金調達が極めて厳しくなります。
私がここで声を大にするまでもなく、経営者側からは異論を唱える声が当然上がっており、法律実務家からは改正は不要との意見もあります。
今回の改正は「民法を国民一般にわかりやすいものにしよう」という考えがあるわけで、法律に多少なりとも携わる者として、今後の展開が大いに気になるところです。

2013年03月01日

橋下徹大阪市長の実行力は誰もまねできないのでは…

大阪市立桜宮高校の男子生徒が、バスケットボール部顧問の教諭から体罰を繰り返し受けた末に自殺した事件をめぐり、橋下徹大阪市長(以下、橋下市長)の同校体育科とスポーツ健康科学科の入試中止要請を受け、市教育委員会は入試の中止を決めました。
橋下市長は「体罰を生む体質を残したままで新たに生徒を受け入れるべきではない」と入試の中止理由を語っています。
この橋下市長の行為に対し賛成、反対とさまざまな議論がなされていますが、マスコミは総じて反対の立場をとっています。
新聞社説をみても日本経済新聞「入試中止で体罰がなくなるか」、朝日新聞「わかりにくい折衷案だ」、読売新聞「深刻な体罰が招いた中止決定」、毎日新聞「入試中止要請は筋違い」、産経新聞「大ナタの振るい所が違う」とどれも批判的です。
ただ、新聞で批判をするだけなら簡単で、どの社説も「では、どうするか」といった意見はまったく書かれていません。
限られた字数の中ではそこまで論述するのは無理があるのはわかりますが、その点にもふれるべきだったと思います。
この場で、私が賛成、反対の意見を述べるのは控えますが、「橋下徹大阪市長の実行力は誰もまねできないのでは…」これだけは間違いがないと断言できます。
「橋下市長だからできた。いや、やった」多くの批判を浴びるのは予測済みで、すべて計算しつくしたうえでのことだと思います。
ふつう入試まであと一月というのに中止を決める。そんなことは誰もしない。と言うより、思いもつかないのではないでしょうか。
もしこの事件が他市でおきていたらどうなっていたか。
おそらく顧問の教諭を異動、あるいは解雇(するかな?)して、それでおしまい。あとは時の過ぎるのを待つ。いままでがすべてそうであったように。
ただ、悪いことに(?)今回は大阪市でおきてしまった。
いままでの橋下市長の言動を考えれば、ふつうでは済まないなと予測はしていました。
橋下市長の言動をすべて容認はしませんが、あの実行力は評価しています。
弁護士でもあるので、弁は立ちますし、議論を交わしても、(言葉はよくありませんが)結局は組み伏せられてしまう。
言うことは正論で、決して間違ったことは言っていない。一言一言、相手の同意を取り付け、自分の描いた結論に導いていく。
入試中止に異を唱えていた、フジテレビ系「とくダネ!」キャスターの小倉智昭氏とのテレビでのやりとりを見ましたが、最後には小倉氏も橋下市長に同調してしまったとしか思えませんでした。
橋下市長も他市と同じような対応策で、ことを穏便に解決することもできたはずです。でもしなかった。
自分の気持ちを偽ることができないんだと思います。それが場合によっては誤解を招くことがあったとしても。
過去の佐野眞一氏の「週刊朝日」橋下市長出生の記事のときも、自分の主張は貫き通し、結局、出版元の朝日新聞出版社長は辞任しています。賛否は別にして、あの実行力だけは否めません。
とかくすべて丸く収めようとする風潮があるなかで、自分の信念を貫き通す、あの姿勢は私も持ち続けたいと思っています。

2013年02月01日

30年以上前の車の部品があった。

車が好きで、いま2台の車を所有しています。
2台とも初年度登録からかなりの年数が経っていて「そんな車あった?」と言われてもおかしくありません。
「それほど大切にしているのなら、高級車なのでは」と思われるかもしれませんが、そんなことはなく、ごくありふれた車です。ただしそのうちの1台はめったに街中で目にすることはありませんが…。
車名は「三菱ギャラン∑」そして「三菱Jeep J−54」です。∑の初年度登録は1981年、Jeepが1985年ですので、それぞれ31年、27年間乗っています。
もちろん新車からワンオーナーでいままできたわけですが、実は過去にはもう1台持っていたこともあり、さすがに3台もあると、その日に乗る車を決めるのに結構迷ったりもしました。
「なんでそんなに旧い車を」と聞かれることがありますが、長く乗っていると愛着もわき、思い出もいろいろとあって、手放すことができなかったのと、欲しい車がなかったことも理由のひとつです。
∑での遠乗りは少なくて、会津若松、金沢、高山、神戸に行ったくらいですが、Jeepでは日本の最北端「宗谷岬」まで行ったことがあり、しかも真冬の2月に、高速を使うことなく一般道でのひとり旅でした。
真冬の北海道の寒さは半端ではなかったです。毎朝セルモーターがまったく回らず、ロングライフクーラント(不凍液)は普段の2倍の濃度にして行ったのですが、エンジンオイルを変えていかなかったので、オイルが凍って、ロードがかかってしまったのが最大の要因のようです。
次は九州の最南端「佐多岬」に行きたいのですが、はたして実現するか。鉄道での九州一周の時に一度行ってはいるのですが、Jeepでもう一度行ってみたいと思っています。
これまで旧いながらも2台とも不具合はまったくなかったのですが、最近∑の後輪から異音が聞こえ、ずっと気になっていました。
ディーラーで診てもらったときに「デファレンシャルギアの摩耗が原因では」と言われ、修理するにしても部品がなければ廃車も止むを得ないと思いました。
それでも、しばらくは様子をみながら乗っていたのですが、異音がかなり大きくなり、懇意にしているサービスマンがいるディーラーで再度診てもらったところ、リヤハブベアリングの摩耗が原因と判明しました。
ただ、修理するにしてもはたして部品があるのか。それが一番気になります。
期待とあきらめの気持ちが半々でしたが、幸いなことに部品がまだありました。さすが国産車。(?)
この際取れる部品は替えておこうと思い、フロントロワアーム、ステアリングタイロッドブーツ等も一緒に交換。
かなりの出費にはなりましたが、これでいましばらくは乗れることになり、一安心しました。
ただし、家族からは「そんな旧い車を修理するより、新車を買えばいいのに」と大ブーイング。
でも、30年以上前の車の部品がまだあったこと自体すごいと思いませんか。
いまは家電用品が壊れて、修理に出すと「部品がありません。新しく買った方がいいです」と必ず言われます。
それに比べ今回の∑の件は「すごい」の一言につきます。
実は、∑は過去にも廃車になりかけたことがあります。
オルターネーターの故障で東名の沼津付近で立往生をして、レンタカーの積載車を借り、自分で運んできたのですが、やはり交換するオルターネーターがないと言われました。
でも、オルターネーターひとつで廃車はありえないと四方八方手を尽くして探し、なんとか大阪で入手することができました。
車とはいえ、愛情を持って接していると、幸運の女神が微笑んでくれるのかもしれません。
あといつまで乗れるかはわかりませんが、2台とは壊れるまでつき合っていこうと考えています。

2013年01月01日