【目次】
12月01日 「特定社労士業務部会」に入会しました。
11月01日 厚生労働省は生活保護費削減に難色。財務省と意見分かれる。
10月01日 「罰則付き飲酒運転撲滅条例制定」でも、これで飲酒運転なくなるか…
09月01日 朝日新聞の連載「人減らし社会」を読んで…(続き)
08月01日 京都ひとり旅(其の二)
07月01日 朝日新聞の連載「人減らし社会」を読んで…
06月01日 もし、裁判員に選ばれたら…
05月01日 愛車「三菱ギャラン∑」が走行距離10万キロを達成
04月01日 紛争解決手続代理業務試験に合格しました。
03月01日 山口県光市の「母子殺害事件」最高裁は上告を棄却
02月01日 平成24年度の年金額は0.3%の引下げ。納得できる…できない?
01月01日 19年ぶり「死刑執行ゼロ」 でも、これ…

神奈川県社会保険労務士会には専門業務研究会が九つあり、そのうちの一つ「特定社労士業務部会」(以下、部会という)に入会しました。
以前から部会に入りたいと思っていました。しかし、特定社会保険労務士ではないために入るのを躊躇していましたが、今年の3月に「紛争解決手続代理業務試験」に合格して、4月に特定社会保険労務士の付記を行い、はれて入会しました。
部会の活動内容は、特定社会保険労務士の業務に関する知識及びノウハウを研究したり、毎回のテーマを決めて輪番制で発表し、意見交換を行うことによって会員の資質の向上を目指しています。
ご存じでない方のために説明しますと「特定社会保険労務士」とは、労働者と使用者間における労働関係の紛争において、裁判外紛争解決手続制度に則った代理業務に従事することを認められた社会保険労務士をいいます。
一言でいうと、人事・労務管理の専門家である社会保険労務士のなかで、労働問題にも関与を許された社会保険労務士といえます。
個別労働関係紛争の当事者が、都道府県労働局の紛争調整委員会や民間ADR機関にあっせん申請等を行う場合(また、あっせん申請等の相手方となった場合)における、代理人としての代理業務を行うことができます。
近時における、労働条件の引き下げ、雇い止め、退職勧奨、解雇、パワハラ、セクハラ等労使間のトラブルは増加傾向にあり、その解決を時間と費用のかかる裁判に訴えるより、裁判外での迅速な解決が求められています。
私も特定社会保険労務士として、これらの労使間のトラブルの解決に少しでもお役にたてればと思い、勉強の機会を拡大する意味から入会しました。
過去の「coffee break」にも書きましたが、かつて私も早期退職優遇制度への応募をしつこくせまられ「辞めるつもりはない」と言っているにもかかわらず再三面談を強要されました。
いま思えば、労働局へあっせん申請まではしないにせよ、助言・指導を願い出てもおかしくない状況にあったかもしれません。
先日「coffee break」を読んでくださった方から「退職を勧奨され、迷っている」との相談をお受けしました。
賃金が引き下げられ、自分の望まない部署へ異動させられ、退職をせまられている。「辞めてやる」と辞表をたたきつけることもできたと思います。
その方へ「辞めた場合、辞めずに残った場合、自分はどうしたいのかをよく考えて決められたら」とお話しさせていただきました。
私も、会社員としての勤務は長く、労働者の気持ちはよくわかります。また、使用者の立場も社会保険労務士としての関与を通じて十分理解できます。
労使間のトラブルは、労働者の話を聞けば「もっともだ」と同意できますが、反対に使用者の話を聞けば「労働者の主張はおかしいのでは」と思うケースも多々あります。
法違反を平気で行う使用者もなかにはいますが、モンスター社員を抱えて困っている使用者も当然いるわけです。
そのような人事・労務管理でお困りの使用者の方からのご相談をお受けいたします。
労働者と使用者間のすべての個別労働関係紛争を経験することはとてもできませんが、書物を通じてあらゆるケースを想定し、自分が労働者の代理人だったらどうするか。あるいは、使用者側だったらどう反論するか。常に両者の立場に立って、物事を考えていく必要があると思っています。

2012年12月01日

財務省は、生活保護費削減に向けて10月22日、食料品や光熱費などの「生活扶助費」を減らしたり、いまは無料の医療費の一部負担を求めたりする対策案を打ち出しました。
生活保護費は今年度予算で年3.7兆円になり、このうち約半分が受給者の医療費をすべて負担する「医療扶助費」、約3分の1が「生活扶助費」、約15%が家賃にあてる「住宅扶助費」として計算されています。
財務省案では、生活扶助費は物価が下がり続けるデフレを反映していないとして給付額のうち生活扶助費部分を4%ほど引き下げる。また、家賃の相場も下がっているとして住宅扶助費の引き下げも提案しています。
医療扶助費も「医療費無料」が受給者を増やす原因になっていると指摘し、医療機関にあまり行かないように促すため、一部を自己負担にするか、自己負担分を翌月以降に払い戻すことで、手元のお金が少なくなるのをおそれて医療機関に行くのをためらうのではとのねらいがあります。
確かに、生活保護受給者の生活費が受給していない低所得者を上回る「逆転」状態を是正する必要はわかりますし、これに異論を唱える人はいないはずです。
年金も前年の消費者物価指数に応じて年度ごとに改定される「物価スライド」が取り入れられており、生活扶助費だけが物価を反映せずに支給されているのは疑問視せざるをえません。
ただ、それ以外の削減策については財務省の案は納得しがたく、厚生労働省が生活保護費削減に難色を示しているのは当然のことだと思います。
例えば、平成22年度の保護世帯の構成割合は、高齢者世帯は42.8%、傷病・障害者世帯が33.0%を占めていて、この人たちに医療費の一部自己負担を求めることは「受診を抑制してしまう」ことは十分に考えられます。
また、翌月以降に一部負担金を払い戻す案も「手元のお金が少なくなるのをおそれて医療機関に行くのをためらうのでは」の考えも、稚拙な考えと言わざるをえません。
生活保護受給者は今年の6月で211万5千人で過去最高に達しています。なぜここまで増えてしまったのか。
削減も必要でしょうが、早急な取り組みは「本当に困っている人の生活を脅かし窮地に追い込む」ことになりかねません。
まずは受給者がここまで増えた理由を検証し、その対策を講じるのが先決ではないでしょうか。
地域別最低賃金が生活保護費を下回る地域は平成24年度において東京、神奈川をはじめいまだ6都道府県に及んでいます。
「アルバイトやパートなどで働くより生活保護を受けたほうが得」といったモラル・ハザード(倫理の欠如)も生じていて、働く意欲を低下させないためにもさらなる引き上げの検討も必要でしょう。
他方で、受給者も自活への自主努力や、医療機関での重複受診を控えること等が求められて然るべきだと思います。
モラル・ハザードの問題がある反面で、生活保護を受けるのを潔しとしないで申請をためらい、生活が成り行かなくなる。あるいは窓口で申請を断られ、相談する人もいない。このような人がいるのも事実です。
いまの時代に「餓死」など考えられないのに、電気が止められ、水道が止められ、そして…。そのような報道を何度も耳にします。
いままでに「coffee break」で生活保護のことを何度か取り上げましたが、そのたびに自分の無力を思いしらされています。
でも、これを読んでくださった方が「生活保護」について一瞬でも考えていただければ無駄ではない。そう思って、今回も書きました。

2012年11月01日

福岡県が「飲酒運転撲滅条例」を9月21日から全面施行しました。
正式には「福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」といい全国初の罰則付き条例です。
条文は第1章「総則」から第2章「行政及び地域社会の責務」第3章「県民の責務等」第4章「県の機関、事業者等の責務」第5章「特定事業者の責務」第6章「飲酒運転撲滅のための措置」第7章「雑則」そして第8章「罰則」の全37条で構成されています。
このような条例を制定した背景には、2006年に福岡市職員が幼児3人を死亡させた事故があり、取り締まりを強化したものの、飲酒運転による事故件数が依然高水準で、遺族らの「実効性のある条例に」との声があります。
条例では、飲酒運転の根絶が進まない理由は、検挙される人の半数は再犯であり、アルコール依存症が疑われる人が多い。
取り締まるだけでなく、飲酒運転で初めて摘発された人に指定医療機関での診断を促し、5年以内に再び摘発されれば診断を義務付ける。従わない場合は5万円以下の過料を科す。依存症と診断された場合、専門病院での治療を義務付けるという内容です。
でも、これで飲酒運転がなくなると思いますか。私にはとてもそのようには思えないのですが。
現に車を運転するとき「自分は酒を飲んだばかりだ」「酒を飲んでからまだそれほど時間が経っていない」この意識は誰でも必ずあるはずです。
にもかかわらず車を運転する。その理由は「それほど飲んでいないし、酔っていないはず」「ほんの短い距離だから」「もう酔いは醒めているだろう」と、どれも自分に都合のいい解釈をおこなっているからです。
仮にアルコール依存症の人でも「自分はいま酒を飲んだから運転しない。いや、できない」こう考えてくれればいいだけの話だと思いますが、違いますか。
朝から酒を飲むような人でも(当然、アルコール依存症でしょう)車を運転さえしなければ、何ら問題にする(社会的、健康面は別にして)必要はありません。
だから、どんなに罰則を設けて、アルコール依存症の診断を促したり、義務付けたりしても、それで事故が減るわけがありません。
それより、5年間に2回も飲酒運転で摘発されるような人は、即免許を取り消して、一定期間再取得を認めない。そのくらいの厳罰化を講じないと実効性は望めません。
このようなことを書くと「免許を取り消されたら仕事にならない」と言う人が必ずいます。
しかし「飲酒運転をしなければ免許が取り消されることはない」そして「飲んだら運転しない」「運転するなら飲まない」ごくあたりまえなことで、決して難しいことではありません。
また、この条例にはもう一つポイントがあり、飲酒運転の違反者に酒を提供した飲食店にも罰則規定が設けられており、客が1年以内に2度摘発された飲食店には、公安委員会が防止策を指示する。従わなければ、最終的には5万円以下の過料が課せられます。
ただこれも「5万円さえ払えば済む話」こう考えたなら実効性には乏しいと言わざるをえません。
条例の第4章に「県の機関、事業者等の責務」とありますが、新聞紙面で飲酒運転を取り締まる側の警察関係者が飲酒運転で検挙されたとの報道を見るたびに「いったい何を考えているんだ」と怒りさえ覚えます。
そして、条例の制定が「モラル頼みではだめだから、罰則付きで」これが事実だとしても「なにか釈然としない」このように感じるのは私だけでしょうか。

2012年10月01日

2012年7月に「朝日新聞の連載『人減らし社会』を読んで…」について感じたことを書きました。
その後、朝日新聞は8月24日、8月31日に「人減らし社会 反響編」と題して読者から寄せられた意見、感想等を掲載しています。
私の拙文もほんの一部分ですが、8月31日の紙面に取り上げられています。
これらを読んで、世間ではいかに強引なリストラが行われているか、労働者は希望退職にどう対応したか、自分の経験と重なり合う部分がかなりありました。
そこで今月のcoffee breakは「朝日新聞の連載『人減らし社会』を読んで…(続き)」と題して思うところを、再び述べてみることにします。
実は過日、退職前の銀行(プロフィールをみればわかるので)の人事役と中華料理を食べ、ビールを飲んでいる夢を見ました。(現実にはこんなことはありませんでしたが)
夢の中で、早期退職優遇制度への応募を勧奨されているのです。
退職して3年以上経っているのに、まだこんな夢をみるのですから、いかに当時悩んだかが伺えると思います。
退職を勧奨されたことのない人にはわからないと思いますが「人減らし社会 反響編」の記事は、現に日本の中で行われているまぎれもない事実です。
7月にも書きましたが、私も早期退職優遇制度への応募をしつこく勧められ、辞めるつもりもないのに再就職支援会社の説明を聞いてくるように指示され、再三にわたる人事役との面接で「人を辞めさせるのも大変だな」と逆に同情しました。
当行の場合、公的資金の導入による人員削減の目標達成のためには、人事役も「何人辞めさせる」という目標があったはずで、なりふり構ってはいられなかったのが実情だったのでしょう。
その後、私は早期退職優遇制度に手は挙げず、籍は本店経営管理部に置いたまま、関連会社に出向になりました。
銀行本体から関連会社に出向、報復人事と納得はしています。
でも、これでよかったと思います。「いつかきっと見返してやる」この思いがあったから、いまこうして社会保険労務士になれたわけで、何もなければおそらくあの受験勉強には耐えられなかったと思います。
いま、退職を勧奨されている方に言えることは、何か目標を定め「いつかきっと見返してやる」その意地で目標に突き進んで行くことです。
そして「辞める」「辞めない」と決めたら最後までその意志を貫くこと。自分の気持ちが揺らいでいたのでは、相手の言葉に反論することなどできはしません。
「辞めて、何をするのか」「辞めずに残った場合、どうなるか」そのことをとことん考えて結論をだすことです。
人員削減を行うのは企業にとっては大変なことです。大企業なら退職金の優遇で希望者を募集できますが、中小企業ではそれもできません。
労働者として退職を勧奨、いや強要といってもいい立場を経験した者として、その経験を事業主側の社会保険労務士として役立てていきたいと考えています。
「正しい労働者の辞めさせ方」(詳細はここでは書きませんが)無用な紛争は避け、労働者には納得して辞めていってもらう。
決して不可能なわけではありません。その方法をお伝えいたします。
人事・労務管理で事業主様をバックアップ。専門家として中小企業の事業主様のお役にたてれば、望外の幸せです。

2012年09月01日

祇園祭に行ってきました。
2011年8月に「京都五山の送り火」に行って以来、11か月ぶりの京都になります。
目的は祇園祭の「宵山と山鉾巡行」そして前回「京都ひとり旅(其の一)」で、次回は高速バスの昼間便にトライしたいと書いたのでそれもいれてあります。
7月16日、東京駅八重洲口を7:10発の大阪湊町バスターミナル行きに乗車、京都駅烏丸口に15:22に着く予定でしたが、今回は高速バスを選んで大失敗。
と言うのは、途中岡崎I.C付近での事故渋滞を避けるため、バスは高速道から一般道へ降りたためかなりの時間をロス。
加えて、高速道に戻った後も、京都付近ではおそらく祇園祭に行く車の渋滞にあい、ドライバーの機転で運行管理者にルート変更を申し出て、通常のルートとは違う(車内放送がありました)道を走るも、京都駅に着いたのは17:05。
2階の最前列の席で、ビール片手にのんびりした時間を楽しむ予定でしたが、10時間となるとやはりあきてきます。
ただ、きょうは宵山だけしか計画にいれていませんので、バスの遅れは問題なし。
京都に着いてホテルに直行。シャワーを浴び、夜の街へ。まずは、前回の旅で見つけたお気に入りの店で、湯豆腐とビールで乾杯。そして、宵山へ。
以前(かなり昔)来たときは四条通が人混みでまったく歩けませんでしたので、今回、四条通はあとにして、まずは新町通、室町通へ。
この通りで鉾は見られませんが「屏風祭」を楽しむことができます。
「屏風祭」とは、各お家が秘蔵している屏風や美術品、調度品などを飾り、祭り見物に来た人々にも、通りから鑑賞してもらえるようにしているもの。
こういう細い通りを歩くのも、京都らしくていいです。
22:00を過ぎたころ、人もかなり少なくなってきたので四条通へ行き、月鉾、函谷鉾、長刀鉾と見て回りホテルへ。長い1日でした。
7月17日、きょうは「山鉾巡行」
御池通には有料観覧席(3,100円)が設けられているので、売り出しと同時に入手しました。ただ、御池通はそれほど見物客も多くなく、炎天下で席を指定されてしまうより、自由に場所を移動したほうが、3,100円節約できて、いいかもしれません。
夜、ホテルで「京都はこの夏一番の暑さ」とテレビで知りましたが、熱中症対策(?)のためビールを多めに摂り、なんとか1日をのりきりました。
7月18日、あらかじめ許可を取り、修学院離宮に行ってきました。後水尾上皇によって造営工事が起こされ、1659年に完成した山荘です。
ここは、1時間以上案内の人が説明してくれ、しかも無料。
松並木を歩くのですが、並木と言っても低いので、日陰はなく、高低があり、歩く距離は約3キロ。ここを全部宅地にしたらどのくらい家が建つのか。そんなことを考えながら歩いていました。
山荘ですので、紅葉の時期に来るのがいいかもしれません。
拝観許可が10:00でしたので、午後は京都市街に戻り東山エリアへ。
今回の旅は3月に紛争解決手続代理業務試験に合格した自分へのご褒美。次に来るのはいつだろうか。「あすから仕事頑張ろう」自分にそう言い、22:30の夜行バスで帰ってきました。

2012年08月01日

朝日新聞の朝刊に、2012年5月25日の1回から6月22日の5回まで毎週金曜日に「人減らし社会」が連載されていました。
5月25日「異動でノルマで追い込む」6月1日「職場ごといきなりクビ」6月8日「『法の無知』につけこむ」6月15日「『おかしい』解雇と闘う」6月22日「再就職か試練の独立か」
希望退職への応募を勧められ、断ったら望まない部署へ異動させられた。厳しいノルマを課され、できないと退職を強要された。理由も説明されずに解雇させられた。どれも読んでいて「そこまでやる?」ほとんどがそう思える内容でした。
というのも、過去に私も同じことを経験しています。
早期退職優遇制度への応募をしつこく勧められ、辞めるつもりもないのに再就職支援会社の説明を聞いてくるように指示され、再三にわたる人事役との面接で「人を辞めさせるのも大変だな」と逆に同情しました。
いまは何事もなかったかのように話していますが、あの時はずいぶんと悩みました。
そして、早期退職優遇制度へは手を挙げず、その後、籍は本店経営管理部に置いたまま、関連会社に出向になりました。
でも、それがきっかけで社会保険労務士になる決心が強まり「いまにみていろ」とモチベーションを維持することができたのですから、何が幸いするかわかりません。
退職を勧奨をされた労働者の気持ちは、同じ立場を経験した者として痛いほどよくわかります。「いままで一所懸命やってきたのに、なんで自分が」誰でもそう思うでしょう。
その経験を、事業主側の社会保険労務士として、今後どう活かしていけばいいのか、いまはそう考えています。
事業主が労働者を減らしたいと考えたとき、あるいは、ある労働者に辞めてほしいと思ったとき、どうすれば円満に解決できるでしょうか。
正直、円満に解決する方法などありません。では、どうする。自主退職、解雇、懲戒解雇、いずれでも労働者には納得して辞めてもらう、それだけです。
解雇を例にとると、就業規則等で解雇事由を規定しておき、該当する事実が発生して、事業主が解雇回避努力を試みるも、労働者に改善がみられないときには、労働者には辞めてもらう、つまり解雇を納得してもらう。
納得というよりも、有無は言わせない。解雇を受け入れざるを得ない状況にもっていく。責任は自分にあるのですから紛争が起こることはありません。
そのためには、就業規則、諸規定等で職務、賃金、異動、出向、懲戒などあらゆることをこと細かく定めておく必要があります。
「職務上異動、出向がある場合」「懲戒事由を具体的に定め、解雇になる場合」これらを紛争になる前にハッキリと文書化しておき、労働者に周知しておくことです。
とかく、労働者を異動、出向、解雇すると事業主への批判が集中する傾向がありますが、職場のルールに基づいた処遇であるなら、恐れることはありません。
労働者との争いを未然に防止し、持てる能力を100%発揮してもらうためにも、ぜひ職場のルールブックの見直しをされてください。

2012年07月01日

裁判員制度が2009年5月21日にはじまり、3年が経過しました。
最高裁や最高検のまとめによると、2012年3月末までに裁判員候補者となった人は31万4千人余りで、候補者全体の57%にあたる約17万9千人が諸事由により辞退して、2万8074人が裁判員や補充裁判員を経験しています。
辞退した人が約17万9千人。思わず「もったいない」と叫んでしまいそうです。
「希望してもなれないのに、なぜ辞退を」当然各人ごとに理由はあるのでしょうが、私なら、一生に一度あるかどうかの機会ですので絶対に辞退はしません。
もし裁判員に選ばれる方法があるのなら、ぜひその方法を入手したい、正直そう思います。
過日2012年5月19日の朝日新聞朝刊に、同社が実施した裁判員経験者500人のアンケート結果が掲載されています。
また、同月20日から22日の「裁判員時代、経験の先に」で裁判員経験者の感想が特集されています。
現在、裁判員が担当する事件は強盗殺人や殺人など「法定刑に死刑か無期懲役が含まれている事件」と、傷害致死、危険運転致死など「故意の犯罪行為で人を死なせた事件」が対象で、担当した事件により、アンケートの回答や感想は変ってくると思います。
これらをみると、裁判員がいかに真剣に事件と向き合ってきたか、量刑の判断にどれほど悩んだかがよくわかります。
もし、自分が裁判員に選ばれたら、辞退は決してしませんが、はたして平常な心を保てるか、量刑の判断はなにを基準にしておこなうか、そして守秘義務は、その他いろいろと悩みぬくことは数限りないと思います。
それでも「裁判員をやりたい」その気持ちは少しも揺るぎません。
人が人を裁く。事件によっては死刑を選択せざるを得ない場合もあります。現に2012年4月末までに判決が言い渡された被告の計3690人のうち14人が死刑判決を受けています。
自分が死刑を選べるのか。そして、もし死刑判決が下され、被告が控訴せず、死刑が確定したら。一生あの判断は正しかったのか悩みぬくのは確かです。
唯一の救いは、死刑判決が下されても、被告は控訴、そして上告ができる。
もし、控訴せずに判決が確定しても、それは被告が判決を甘んじて受け入れた。だから我々の判断に間違いはなかった。言い訳かもしれませんが、そう思い、納得するしかないのかもしれません。
アンケートでは、裁判員の経験がその後の生活で「プラスになった」と感じた人が350人で7割を占めたとの結果が報告されています。
この結果を見る限り、市民が刑事裁判にたずさわったことは間違いではなかったと言えるかもしれません。
今後「裁判員裁判の対象事件を広げるべきか。あるいは一部の事件は対象からはずすか」「死刑は多数決でいいのか」また「高裁にまで裁判員裁判を拡大するのか」いろいろと議論がなされています。
これらの議論を含めて、自分が裁判員に選ばれたとき、どう判断して対処するのか、常日頃から考えておいたほうがいいのかもしれません。
明日、私があるいはあなたが裁判員に選ばれるかもしれません。

2012年06月01日

2012年4月28日に愛車「三菱ギャラン∑」が走行距離10万キロを達成しました。
「やっと超えたか」の一言につきます。
現在「三菱ギャラン∑」と「三菱Jeep J-54」の2台を所有しており、過去には「日産パルサー」もあわせて一時期に3台を所有していたため、走行距離が分散してしまいました。
「三菱ギャラン∑」の初年度登録は1981年ですので10万キロまでに31年を要したことになりますが、実は一度廃車にしたため実際の期間は数年短縮されます。
というのも、昔は12年超の普通車の車検は1年ごとで、2年の車検は受けれませんでした。
毎年車検を受けるのでは維持するのは大変かと思い、やむなく廃車の手続きをとりましたが、スクラップにはせず庭のすみで保管していました。
その後制度が変り、12年超の普通車も2年ごとの車検でよくなり、また湘南ナンバーも新設されたため再登録しなおして復活させたわけです。
それ以来きょうまで各社の新車発表には見向きもせずに乗り続け、以前coffee breakでも書きましたが、エコカー補助金の13年超、25万円の対象でも買い換えようとは決して思いませんでした。
新車からずっと大事に、大切に乗り続けて、思い出もいっぱいあるのに25万円のために手放すのは、やはり無理でした。
ただこの車、過去にもう一度廃車になる寸前になったことがあります。
ある冬の日、東名高速の富士I.C付近でオルタネーター(発電機)の故障で立ち往生し、レンタカーの積載車で運んで帰ってきたことがあります。このとき、ディーラーからは年式が古いため部品がないといわれました。
部品がなければ「廃車も仕方ないか」と思いましたが「たかが『オルタネーター』ひとつで廃車?」納得できませんでした。
そこで「オルタネーターのひとつくらい、どこかにあるはず」といろいろと手を尽くして探した結果、大阪に最後のひとつがあり、なんとか入手できて廃車をまぬがれました。
「なんでそんなに古い車を」とよく聞かれますが、新車が買えないわけではないんです。(ホントか?)
愛着はもちろんありますが欲しい車がないのも事実。欲しい車とは「FR車で5or6MT」(わからない人のために説明しますと、エンジンが車の前にあり後輪駆動でギヤーが5速or6速のマニュアルミッション)
ないですね。「FRでもAT」だったり「MTでもFF」結局、ないものねだりですね。
でも最近「FR車の6速MT」が発表になりました。「トヨタの86」です。ただし、残念ながらスポーツカーなので欲しいのとは違いがあります。
ところで、最近またエコカー補助金が復活しましたが、利用するつもりはまったくありません。なぜなら、できるだけ長く乗り続けてこそエコだと信じているからです。
「三菱ギャラン∑」と「三菱Jeep J-54」もここまで長く付き合ってくるとさすがに手放せなくなります。
おそらく乗りつぶすまで付き合っていくのではないか、いまはそう思っています。
「三菱ギャラン∑」の走行距離がどこまで延びるか、そして「三菱Jeep J-54」がいつ10万キロを達成するかが楽しみです。

2012年05月01日

平成23年11月26日に実施された紛争解決手続代理業務試験の合格発表が3月21日にあり、合格いたしました。
試験を受け終わった時点で「受かったな」という感触はありましたが結果が発表されるまでは多少の不安はあり、いまは「ホット」しています。
過去に社会保険労務士試験に合格したとき「もう国家試験を受けることはないだろう」と思っていたのですが「紛争解決手続代理業務試験」がまだ残っていました。
ただ特定社会保険労務士の業務を行わないのなら受験をしなくてもまったく構わず、社会保険労務士の業務はふつうに行うことができます。
「特定社会保険労務士」とは事業主と労働者の間で争いが起きたとき、ADR(裁判外紛争解決手続)において個別労働関係紛争解決の代理人として裁判によらない円満解決を実現することができる社会保険労務士をいいます。
おそらく資格を取得しても特定社会保険労務士の業務を行うことはほとんどないでしょう。でも事業主、労働者から紛争に関しての相談を受けたとき、その相談にのってやれないのは社会保険労務士として悔しい思いをするのではないか。
そういう思いから受験を決めたわけですが、試験はかなり厳しく、解答は記述式で黒インクの万年筆または黒のボールペンで書かなければいけません。
しかも2時間で2問に対し解答を求められ、下書きなどをする時間は当然なく、頭の中で文章を練る時間さえ惜しくて、頭に浮かんだ文章を直接解答用紙に落とし込んでゆくそんな感じで書いていきました。
ボールペンで書くため書き損じると訂正が大変で、二重線で消して書き直すわけですが、見た目も汚くなり、かなり神経を使います。
でもこの試験、受験のための勉強は全然苦ではなく、むしろやっていて楽しいとさえ感じました。
それというのも現実に起きうることを想定して問題が出題され、例えば解雇、雇い止め、残業代や退職手当の不払いといったことが起きたとき、事業主あるいは労働者からの依頼にどう社会保険労務士として対応するかが求められます。
当然受験勉強はあらゆるケースを想定して、自分だったらどう対応するかを考えていくつか解答を用意しておきます。
実際に自分がその紛争に直面したらどうすればいいのか、法的な根拠や判例に基づいて判断をする必要があり、勉強をしているという感じはありませんでした。
しかし試験前の半月間は仕事は二の次で、ほとんど図書館に籠っていました。
今後この資格を活かすことが起こるかはまったくわかりませんが、せっかく取った資格ですので、いつでも使えるように自己研鑚だけは怠らないようしていくつもりでいます。
これが最後の国家試験かと思ってはいますが、本当はまだチャレンジしたい資格がいくつかあります。
気力と体力とに相談することにします。

2012年04月01日

1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件の差し戻し後の上告審で、最高裁第一小法廷は大月(旧姓・福田)孝行被告の上告を棄却する判決を言い渡しました。
犯行当時18歳1カ月だった少年に、死刑とした差し戻し後の二審・広島高裁判決が確定することになります。
少年法では18歳未満の少年への死刑適用を禁じており、犯行が1カ月前なら死刑選択はなかった元少年への最高裁の判決は、重視されるのは犯行の「結果」であることを示したとも言えます。
死刑判決は適切だったのか、自分ならどう判断するか私なりに考えてみました。
事件は山口県光市の会社員本村洋さん(35)宅に排水検査を装って侵入し、抵抗する本村さんの妻弥生さん(当時23)の首を絞めて殺害し、強姦。
さらに犯行の発覚を恐れ、泣き続けていた長女夕夏ちゃん(同11カ月)を床にたたきつけ、首を絞めて殺害したというのが判決が認定した事実です。
殺害されたのは、当時23歳の母親と同11カ月の娘の2人。18歳1カ月の少年の犯行なら、無期懲役の判決もありえます。
ただ、大月被告の場合「真摯に反省している態度」がまったく見えてきません。最高裁の判決理由を読み、報道されている内容からもそのことは言えます。
当初は起訴事実を認めていたのが、差し戻し前の上告審で一転して殺意を否認。
大月被告の考えなのか(真実も含め)、弁護団の方針かはわかりませんが、あのまま起訴事実を認めて、心から犯行を悔い改めている態度を法廷で見せていたら「更生可能性がある」と死刑判決は出なかったのでは。
しかも、母親の自殺、父親からの暴力などにより人格形成に大きな影響を与えたと、情状酌量の余地は十分にあったはずです。
しかし、逆に大月被告の態度は被害者遺族に厳罰化を望ませてしまったとしか思えません。
被害者や遺族の声が司法の場に反映されるようになり、2008年に導入された被害者参加制度では、被害者や遺族が被告に対して法廷で質問したり、求刑への意見を述べたりできるようになりました。
本村洋さんは、差し戻し後の控訴審の法廷で、大月被告に「君の犯した罪は万死に値する。君は自らの命をもって罪を償わなければならない」と直接訴えています。
私は、今回の死刑判決は妥当だと考えています。仮に少年でも犯した罪によっては厳罰に処す。そのことが明確にされました。
裁判官のひとりが反対意見を述べており、法曹界からも当然反対意見は多数寄せられています。
いろんな議論がなされて、この判決が重大犯罪を抑止する一助になればいいのですが。
最後に、判決後の記者会見で本村さんが言った言葉を記しておきます。
「遺族としては大変、満足しています。ただ決して、うれしさや喜びの感情はありません。厳粛に受け止めなければならない」「勝者なんていない。犯罪が起こった時点で、みんな敗者なんだと思います」

2012年03月01日

厚生労働省は、総務省から「平成23年平均の全国消費者物価指数」(生鮮食品を含む総合指数)の対前年比変動率がマイナス0.3%となった旨の発表をうけ、平成24年度の年金額も0.3%引下げると発表しました。
老齢基礎年金(満額) 月額65,541円(前年度より−200円)
厚生年金(標準的な年金額) 月額230,940円(前年度より−708円)
(注、夫が平均的収入で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦で、2人分の老齢基礎年金を含む額)
引下げが開始されるのは、4月分が支給される6月からです。
なお、現在支給されている年金は、平成12年度から14年度にかけて、物価下落にもかかわらず、特例法でマイナスの物価スライドを行わず年金額を据え置いたことにより、本来の年金額より2.5%高い水準で支払われています。
この特例水準についても、平成24年度から26年度までの3年間で解消することを検討しており、今年の通常国会に法案を提出し、法案が成立すれば平成24年度10月分が支払われる12月の支払から更に0.9%引下がります。
おそらく6月以降、各年金事務所には多数の問い合わせや苦情が寄せられることと思います。
しかし、現役世代の負担や年金の確保のためには引下げはやむをえず、場合によっては物価が下落しなくても引下げも必要なのではと考えます。
現在、公的年金制度への加入者数は平成22年度末で6,826万人、前年度比48万人(0.7%)減少。受給者数は(延人数)平成22年度末で6,188万人前年度末比200万人(3.3%)増加しています。
団塊世代の退職を迎え、そして再雇用からの離脱。次に、彼らが年金受給者に回るのですから収支のバランスが保てるわけがありません。
今後もこの傾向は続き、現役世代への負担は増えこそすれ減ることはない。
しかも、いまの若い人たちの給料は、昔みたいに定期昇給やベースアップも皆無に等しく、毎年給料は上がらず、社会保険料の負担だけが増えてゆく。
資格が上がらなければ給料は増えないし、人件費抑制、人員削減で昇給、昇格も思うようには望めません。
こんな状況では年金に対する信頼が失われていくのも頷けます。
国民年金の納付率は平成22年度における現年度納付率は59.3%で60%を割っています。
減額は、老齢基礎年金で月に200円、厚生年金は708円です。
物価が下がったという感覚はありませんが、わずかな金額(そう思わない人がいるかもしれませんが)ですので、自分の子供、孫のためと納得しませんか。

2012年02月01日

2011年は年間を通じて1件も死刑が執行されませんでした。法務大臣に就いた3人がいずれも執行を見送り「執行ゼロ」は19年ぶりのことです。
平岡秀夫法務大臣は死刑制度について「人の生命を絶つ極めて重大な刑罰で、慎重な態度で臨む必要がある」と述べ、執行命令書に署名しませんでした。
平岡法務大臣は死刑廃止派ではないようですが、やはり署名をするとなると躊躇せざるを得ないのはわかります。
しかし、裁判員裁判では死刑判決が相次ぎ、確定死刑囚の数は戦後最多の129人にまで膨らみ、被害者遺族からは「執行を進めないのは責任放棄だ」と憤りの声が上がっています。
全国犯罪被害者の会(あすの会)顧問の岡村勲弁護士は「法相は法を守るべき国の最高責任者であり、法を守らないことは許されない。これ以上、執行しない状態が続くならば、法相から死刑執行命令権を取り上げ、検事総長に移す方向で、刑事訴訟法を改正すべきだ」と指摘しています。
私は必ずしも死刑賛成派ではありませんが、法務大臣の職責として執行命令書に署名はすべきであり、しないのであれば法務大臣の任に就くべきではないと考えています。
1999年の池袋通り魔事件で長女を殺害された宮園誠也さんは「死刑が執行されない限り事件は終わらない」と語り、加害者は2007年に死刑が確定していますが、現在も執行されていません。
宮園さんは「死刑廃止論者の中には『絞首刑は残酷』との意見もあるが、娘は何時間も苦しんで死んでいった。一体どちらが残酷なのか考えてほしい」とも訴えています。
「絞首刑が残虐な刑罰を禁じた憲法36条に反するかどうか」については最高裁でも「残虐な刑罰ではなく合憲である」と判断されています。
また、2011年10月に「大阪此花区パチンコ店放火殺人事件」で和田真(まこと)裁判長は「裁判員の意見を聞いた上、憲法に反しないと判断した」と述べて、裁判員裁判の判決でも合憲であると判断されています。
私の死刑制度に関しての知識はほとんどが書籍によるものですが、被害者、被害者遺族の気持ちを考えると死刑制度は存続させるべきだと思います。
死刑囚に死刑執行が知らされるのはその日の朝です。少ない時間であるにせよ、死に対して気持ちの整理をする時間はあります。
「家族、親族に言い残すことはないか」「なにか食べたいものは」と執行の前に尋ねられ、死刑囚として収監されていた間も、制限はあるものの家族、親族との面会も許されてきました。
それに対し、被害者は残虐な方法で一瞬にして殺害され、あるいは命乞いをするも聞き入れられずに殺される。最後に家族、親族、大切な人と一言も言葉を交わす間さえありません。
その無念さを思うと、自分の行った行為には「自らの死をもって償ってもらうほかない」賛成派でなくともこのように考えざるをえません。
死刑が確定した裁判をみてみますと、加害者に情状酌量の余地があるものはほとんどありません。
だから死刑の判決が下されたわけですが、己の身勝手さゆえの犯行で人を死に追いやる。いったい「人の命」をどう考えているのでしょうか。
法務大臣は被害者遺族の気持ちに思いを馳せ、執行命令書に署名すべきであると考えます。

2012年01月01日

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