「罰則付き飲酒運転撲滅条例制定」でも、これで飲酒運転なくなるか…

福岡県が「飲酒運転撲滅条例」を9月21日から全面施行しました。
正式には「福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」といい全国初の罰則付き条例です。
条文は第1章「総則」から第2章「行政及び地域社会の責務」第3章「県民の責務等」第4章「県の機関、事業者等の責務」第5章「特定事業者の責務」第6章「飲酒運転撲滅のための措置」第7章「雑則」そして第8章「罰則」の全37条で構成されています。
このような条例を制定した背景には、2006年に福岡市職員が幼児3人を死亡させた事故があり、取り締まりを強化したものの、飲酒運転による事故件数が依然高水準で、遺族らの「実効性のある条例に」との声があります。
条例では、飲酒運転の根絶が進まない理由は、検挙される人の半数は再犯であり、アルコール依存症が疑われる人が多い。
取り締まるだけでなく、飲酒運転で初めて摘発された人に指定医療機関での診断を促し、5年以内に再び摘発されれば診断を義務付ける。従わない場合は5万円以下の過料を科す。依存症と診断された場合、専門病院での治療を義務付けるという内容です。
でも、これで飲酒運転がなくなると思いますか。私にはとてもそのようには思えないのですが。
現に車を運転するとき「自分は酒を飲んだばかりだ」「酒を飲んでからまだそれほど時間が経っていない」この意識は誰でも必ずあるはずです。
にもかかわらず車を運転する。その理由は「それほど飲んでいないし、酔っていないはず」「ほんの短い距離だから」「もう酔いは醒めているだろう」と、どれも自分に都合のいい解釈をおこなっているからです。
仮にアルコール依存症の人でも「自分はいま酒を飲んだから運転しない。いや、できない」こう考えてくれればいいだけの話だと思いますが、違いますか。
朝から酒を飲むような人でも(当然、アルコール依存症でしょう)車を運転さえしなければ、何ら問題にする(社会的、健康面は別にして)必要はありません。
だから、どんなに罰則を設けて、アルコール依存症の診断を促したり、義務付けたりしても、それで事故が減るわけがありません。
それより、5年間に2回も飲酒運転で摘発されるような人は、即免許を取り消して、一定期間再取得を認めない。そのくらいの厳罰化を講じないと実効性は望めません。
このようなことを書くと「免許を取り消されたら仕事にならない」と言う人が必ずいます。
しかし「飲酒運転をしなければ免許が取り消されることはない」そして「飲んだら運転しない」「運転するなら飲まない」ごくあたりまえなことで、決して難しいことではありません。
また、この条例にはもう一つポイントがあり、飲酒運転の違反者に酒を提供した飲食店にも罰則規定が設けられており、客が1年以内に2度摘発された飲食店には、公安委員会が防止策を指示する。従わなければ、最終的には5万円以下の過料が課せられます。
ただこれも「5万円さえ払えば済む話」こう考えたなら実効性には乏しいと言わざるをえません。
条例の第4章に「県の機関、事業者等の責務」とありますが、新聞紙面で飲酒運転を取り締まる側の警察関係者が飲酒運転で検挙されたとの報道を見るたびに「いったい何を考えているんだ」と怒りさえ覚えます。
そして、条例の制定が「モラル頼みではだめだから、罰則付きで」これが事実だとしても「なにか釈然としない」このように感じるのは私だけでしょうか。

2012年10月01日