旅と旅行  1/2ページ

「趣味のひとつが旅です」と言うと、「旅行がお好きなのですか」「いいえ、旅行ではなく旅です」「えっ、旅行と旅、違うんですか」
よくこのようなやりとりをします。どうも人は、旅行と旅を区別しないみたいです。
「なら、旅行と旅はどう違うのですか」と多分聞かれると思うので。
その前に、旅行の付く言葉は、まず何と言っても新婚旅行、そして修学旅行、社内旅行、卒業旅行、そしてこんなのもあります。婚前旅行
一方、旅はというと、ひとり旅、あとは...恋に破れて、傷心を癒しに失恋の旅。どうも暗い気分になりそうです。
「旅行は複数で行き、旅はひとりで行く」このように言う人もいます。
でも、ひとりで行く旅行もあるでしょうし、複数で行く旅もあると思います。
「いいから、早く教えろ」と怒られそうなので。
私はいつも、「旅行は点、旅は線」だと言っています。抽象的でわかりづらいので少し補足しますと、旅行は点と点を観て回るだけ。
パンフレットに載っている名所旧跡へ行き、絵葉書と同じ写真を撮り、ガイドブックに載っているお店でその土地の名物(?)を食べてくる。自分がそこへ行ったという足跡をつけ、証拠写真をVサインで撮ってくれば満足です。
点から点を移動するだけで、その間はどうでもいい。車窓の風景を楽しむことなどほとんどありません。
では、旅はというと、自宅を一歩出てから自宅に戻るまでが一本の線で結ばれています。
名所旧跡へも行きますが、その間、車中で地元の人と話したり、道を尋ねに入ったお店で、パンフレットには載っていない名所を教えてもらったり、自分にしか出来ない旅。
旅の演出をするのも、脚本、監督、そして主役もすべて自分です。
缶ビールを飲みながら車窓を眺めていてもいいのです。
「あっ、あそこに大きな藁ぶきの家が」これだけで嬉しくなります。
あと30分待てば水平線に夕日が沈む。旅の途中でこのような場面に出会ったら30分待ちますよね。
でも、旅行では待たない。待たないというより待てないのです。
大学時代、長崎へ旅した時.....       つづく

2010年04月01日