前月に引き続き、生活保護について。
生活保護受給者がクーラーを購入するため、社会福祉協議会の生活福祉資金等からの貸付金(以下「貸付金」という)を利用した場合当該貸付金が収入として認定され、その分生活保護費が減額されていた。
このこと知っていました。おそらく知っている人は極めて少ないのでは。
どういうことかと言いますと、仮に自分の収入が5万円、生活保護費が7万円支給されていた人が、クーラーを購入するため5万円の貸付を受けた場合、生活保護費は5万円減額され2万円の支給になる。
これっておかしくないですか。どう考えたっておかしいですよね。
クーラーを購入するために借りた5万円なのに、生活保護費が5万円減額されたのでは借りた5万円が生活費に回ってしまい、いつまでたってもクーラーは買えない。
これって考えるまでもないですよね。
そこで、細川律夫厚生労働相は7月14日の参院厚生労働委員会で共産党の田村智子氏の質問に対し「(通常は)冷房設備購入のために借りた貸付金は収入として認定する取り扱いになっているが、健康被害を防止するため、収入に認定しない方向で検討させたいと思っている」と述べています。
いまさら検討することですか。
前月に書いた「仮払い補償金、義援金が支給され生活保護が打ち切り」とまったく同じ思考でなにも言えません。
その後、7月19日に「貸付金は収入として認定しないこととする一方で、収入がある方についてはその返還分を収入から控除することとしました」と各都道府県知事、指定都市市長及び中核市長に対し通知がされました。
「返還分を収入から控除する」とは、先程の例で自分の収入5万円、生活保護費が7万円の方が貸付金を1万円返済しても手元には12万円が残る、つまり生活保護費が8万円支給されるわけです。
この改正には拍手をおくっていいのでは。
ただ、現段階ではすべての市町村長に通知されたわけではないみたいですので、市町村によって異なる取り扱いがされないよう強く要望いたします。
2011年08月01日