厚生労働省が開設する「労働基準関係情報メール窓口」本当に必要なの?

10月28日厚生労働省より「賃金不払残業(サービス残業)などの情報提供メールを24時間受け付けます。『労働基準関係情報メール窓口』を11月に開設します」との報道発表がありました。
労働基準監督署が、労働時間や賃金の問題について監督指導すべき事業場を的確に把握し、適切な指導を行うためには、労働者やご家族の方などから多くの情報を得ることが大変重要になっているからが設置理由です。
そして、職場での長時間労働、賃金不払残業(サービス残業)をはじめとする労働基準法などに関係する問題がある場合に、電子メールで情報を受け付け、受け付けた情報は、関係する労働基準監督署へ情報提供し、監督指導業務の参考として、役立てるというものです。
でも、このような窓口本当に必要ですか。私はまったく必要ないと思います。
情報として提供するのは、「会社名」「会社の所在地」「労働基準法等における問題の内容」で、情報提供者の名前は匿名でも構いません。
当然送られてくる情報すべてが真実とは限りませんし、虚偽の情報提供も十分考えられます。
場合によってはその会社をおとしいれるのが目的のメールもないとは言えません。
そんな真実かどうかもあいまいな情報を24時間、メールなので無人にせよ受け付ける必要があるのか。おそらくないと思います。
その情報が、所轄の労働基準監督署が監督指導する内容なのかを検証する膨大な時間と手間を考えたとき、はたして実効性があるのか大いに疑問です。
もし、自分の会社なり他社で本当に賃金の不払いや、サービス残業が行われているのであれば、正々堂々と労働基準監督署なり都道府県労働局へ申告すればいいわけで、厚生労働省へメールする必要はまったくありません。
しかも、厚生労働省へは全国からメールが届き、所轄の労働基準監督署へ監督指導の指示が出されるまでの日数を考えると迅速な対応は期待できません。
にもかかわらず、このような新たなサービスを開始するのはなぜか。
思うに、それだけ賃金、残業手当の不払い、サービス残業、不当解雇等の個別労働関係紛争が多いということなのかもしれません。
このサービスはきょう11月1日から始まっています。好評を博すのか、不評で中止になるのか予想しかねます。
また、どの程度の情報提供があるのか、そしてそれが労働行政でどのように取り扱われるのか静観したいと思います。

2011年11月01日